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Q:訪問介護をするようになり、利用者からの苦情に悩んでいます。
私は、10年入所施設で介護業務をしてきましたが、ケアマネージャー取得と同時に訪問介護員兼任ケアマネに部署異動しました。入所施設で同時に何人ものケアに慣れていた私には、在宅の一対一のケアが思ったより大変です。密室の中、1人で対応しなくてはいけない。中でも1番困っているのは、苦情です。
もちろん真摯に受けとめ、反省すべきものもありますが、中には身に覚えのない苦情もあります。入所施設にいるときも、仲良くなれる人とはすごく仲良くなれるのですが、なぜか“歩いているのを見ているだけでもいや”と徹底的に嫌われることがありました。私には文句が言いやすい、らしいのです。
私は、相性が合わないということを言うのも言われるのも、介護員として失格ではないかと思っています。どの人にも平等にかかわらなければと思いながらやってきました。それだけにこの状況は苦しいです。この仕事に向いていなかったんじゃないか、介護の仕事をする資格はなかったんじゃないか……。どうやってこの状況を解決していったらいいのでしょうか。
A1:少し肩の力を抜いてみては?
介護の仕事を介して利用者の家庭とかかわっておられるために、自分の思うようにお付き合いをやめたりはじめたりできない点が、本当にお辛いことだと思います。
ヘルパーの仕事というのは、家庭の中に入り込むからといって、いわゆる「お手伝いさん」の仕事とは違うものです。しかし、利用者さんの中には、ヘルパーさんを「お手伝いさん」と勘違いされている方もいるのではないでしょうか。
それと、もしかしたら、あなたはとても責任感が強い方なのではないでしょうか。色々なことに対して気負いすぎている部分はありませんか?往々にして、気負いすぎて、頑張らなければならないと思い込んでいると、知らない間に自分の表情がこわばったりするものですよね。
あまりに真剣に介護されると、鬼気迫るものがあって、介護されている利用者さんにとっては、きつい人だなあという印象も与えかねませんよね。少し肩の力を抜いて、「世の中には色々な人がいるのだから、うまくいかないこともあるのはしょうがない」というように考えたらいかがでしょう。
(森村修/法政大学教授)
A2:安全感や安心感がある相手には、文句が言えるものです。
ケアで1番辛いのは、一生懸命ケアしているのに相手に誠意が届かない時です。ケアの受けての背景がわかりませんが、本来、娘さんや夫などに言うべき小言が、あなたに向かっているのかもしれません。人間関係って、不満や不平が言えたほうが深い関係なんです。
ケアの受け手が「ヘルパーさんに、こんなことを言ったら見捨てられる、いじわるされる」なんて被害的に体験していたら、きっとあなたに否定的感情は向けないでしょう。あなたは感情の受け皿になりやすい性格なんでしょう。その意味で、文句が言える安全感や安心感があるのです。
患者やケアの受け手は、あなたの人格に対して否定したり不満を言ったりしているのではなく、「介護士という役割」「介護士という顔」に不平・不満を言ってるのです。私も辛いときは、「精神科医としての私」に言っているんだと自己弁護します。
少し仕事から離れて、自分をケアしてあげてください。ペットの世話をしたり、草花の世話をしたりするのもいいと思います。ケアすることに、ペットや草花は素直に応えてくれます。
(渡辺俊之/高崎保健福祉大学教授・精神科医)
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