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母はわずか36歳の若さで、中学生と小学生の子どもを3人残して脳腫瘍で亡くなりました。生きていればまだ80歳余り、同年代の若々しい方を見ると「あんな風にまだまだ元気だったかしら」「もしかしたら介護が必要な状態になって、大変だったかしら」と想像してみたりしますが、幸か不幸か私の中の母は歳を重ねず、36歳の若くきれいな姿のままなのです。私は母よりもう20年以上長く生きたはずなのに、亡くなった頃の母を思い出すと、今の私よりずっと大人だったような気がするのが不思議です。
母が嫁いだのは20歳で、ちょうど戦時中。大阪の商家の長女だったので、親も気合が入っていたでしょうが、十分な花嫁道具を揃えることができなかったと聞いたことがあります。おまけに戦時中の貴金属供出で、持っていた少しの宝石類は失っています。それでも小さなアーモンド型の3連オパールの帯止めが一つ残っていました。
3個のオパールのうち1個は割れていましたので、ずっとそのままにしていましたが、10年余り前、リフォームすることを思いつき、ペンダントトップに作り変えました。
2個はばらして使えるので小さいダイヤを両端に付け、かわいいデザインのものが2つできました。姉と1つずつ分け合って、それ以来ずっと大切に、しかも頻繁に身に着けています。母が亡くなって40年以上経ち、思い出も遠くなっていく中で、このペンダントは大事な繋がりの物になっています。
(佐々木 啓子)
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